実践例


○水彩(固形顔料にて)


 -写真をみて描く-

 現在通われております小学生の生徒さん(Y.S.)
 その写真より水彩(固形顔料)にて描いてみます。


 

 水彩紙とほぼ同サイズの写真を用意します。
 それをみながら、形をとっていきます。(その途中段階につきましては撮影するのを忘れておりました、、)
 鉛筆はHB〜3Hほどの、ごく薄いものを使用。形を出来る限り正確に写し取ります。
 (日頃皆さんがやっておりますクロッキーと同じ要領で/上の位置、下の位置、左右の位置、間の形までを
 できるだけシビアにみていきます)
 その際陰影などは出来る限りつけず、それは水彩でつけていくようにします。

 まずは全体のベースとなる色を薄く塗り重ね、そこから固有色に少しずつしていくような作業となります。


 

 出来る限り「空気感」を感じながら(水分の分量を考えながら)色を置いていきます


 


 ここで重要なのは(デッサンと同じですが)際(きわ)のみえかた。
 線にみえるところは、どちらかが明るく、そしてどちらかが暗くなっています。
 色の違いも重要ですが、色を無視したときにそこが『どれほどの明度なのか』ということを
 意識しながら重ねていくのがコツ。
 髪の明るさを暗くしたことにより、ミッキーの足は明るくみえてきました。


 


 これは好みですが、敢えて少しだけ細かな部分を また鉛筆にて重ねて表現をしています。


 



 


 できるだけ部分にこだわらず、常に全体の明暗・彩度のバランスを確認しながら、慎重に塗り重ねていきます。




 


 この段階でも、肌の明るいところ/暗いところ の濃淡はしっかりと追っていきます。
 (ティッシュや専用スポンジにて(乾く前に)拭いながら作業していきます)



 


 


 髪の毛などの細かな部分を今のうちに表現してみました。



 



 鉛筆や洋服の色や明度を整えながら空間を意識し進めていきます。




 


 濃いところ、彩度の高いところ…それらのバランスを常に確認しながら慎重に描き進めていきます。



 


 それぞれの色の違いをしっかりと確認しながら『少しずつ』『浮かないよう』全体的に進めていくことが大切です。



 


 色にごまかされないよう、しっかりと陰影をつくっていきます。
 それぞれの指の際(きわ)や明暗もじっくりと観察していきます。


 




 

 少しずつメリハリを出していきながら仕上げます。



 


 完成


 紙の色や空気感を大切にするため、ここで完成としました。

(2007年4月制作)